おいしいお茶の淹れ方のポイントは、
①茶葉の量②湯の量③湯の温度④抽出時間と注ぎ方です。
この4つを調整することで、1種類のお茶からも
様々な香味を引き出すことができます。
①茶の量 茶葉は1人分約2~3gが基本です。 茶さじ軽く山盛りで約2g、 山盛りで約3gになります。 1人分だけを淹れるときは少し多めに5g位にしてもおいしく淹れられます。 <目安> 1人分・・・4g~5g 2人分・・・6~7g 3人分・・・8g~9g 4人分・・・10g 5人分・・・12g |
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②湯の量 お湯の量を量るときは、茶碗を使うと便利です。 また、茶碗を使うと 3つの利点があります。 ①茶碗が温まる ②湯温の調節ができる(湯冷まし) ③お湯の量の調節が効く 茶葉がお湯を吸収しますので、人数分の茶碗に 8分目程が適当です。 急須に湯が残ってしまったり、足りなかったりすることがありません。 |
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③お湯の温度 お湯を1度使用する茶碗などにとることで、湯冷ましができます。 季節、器の材質や大きさなどのよって違いはありますが、 器に移すことにより5℃~10℃下がります。 お茶の美味しさを決めるのは、香りと味の出方。 香の成分は、温度の高いお湯で淹れるほど強く出ます。 味については、二つの成分が作用しています。 1つ目はカテキン 一般的にはタンニンとも呼ばれますが、 苦み、渋みを感じさせる成分です。 このカテキンは、お湯の温度が80℃以上でよく溶け出します。 2つ目はうま味や甘みを感じさせるアミノ酸類です。 このアミノ酸類は、80℃のお湯でも60℃のお湯でも、 同じくらいの溶けだし方をするため、 お湯の温度変化に影響されません。 このうま味と苦み、渋みの味のバランスが お茶の味を決める大きな要素になります。 80℃以上の熱いお湯で淹れたお茶は、 カテキンがたくさん溶け出して苦み、渋みの強いお茶になり、 60℃くらいの低い温度のお湯で淹れると、 カテキンは余り溶け出さないで アミノ酸のうま味と甘みが強く感じられるお茶になるということです。 お湯の温度は、新しい器にお湯を映してその器が温まるごとに 5℃~10℃ずつ下がります。 例えば、やかん(100℃)→ポット(90℃) →茶碗(80℃)→湯冷まし(70℃)→2分半ほど待つ(65℃) といったように冷めていきます。 |
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④抽出時間と注ぎ方 茶葉に用意した急須に お好みの温度に冷ましたお湯を器(茶碗)から移します。 低めの温度のお湯であれば直接茶葉にかけてもよいのですが、 熱いお湯の場合は、 直接茶葉に当たらないように注ぎます。 これにより茶葉の下にお湯が入り込み、茶葉が浮きます。 やや冷まされたお湯が茶葉に当たり、下からじんわり浸るため、 苦み、渋みを抑えられます。 このお湯の注ぎ方でも香味は違ったものになります。 急須に蓋をして1分蒸らし、抽出します。 複数の茶碗に分ける場合、1つずつを満たしていくと 味の濃度に差が出てしまいます。 均等になるように何回かに分けて注ぎます。 茶碗が3つの場合、 1.2.3と注いだら3.2.1と戻ります。これを「廻し注ぎ」と言います。 おいしいといわれる最後の一滴まで注ぎ切りましょう。 また、急須の中にお湯が残っていますと、 二煎目までにお茶の成分が出続け、 苦み、渋みが強くなってしまいます。 最後の一滴まで注ぎ切ったら、急須の後ろ (注ぎ口の反対側)を軽く叩き、 注ぎ口の網に付いている茶葉を急須の真ん中に戻します。 また、急須の蓋を少しずらしておくと、 茶葉が蒸気と熱気によって蒸れずに、 二煎目もおいしく淹れることができます。 |
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